宮城 仮設住民に情報提供「きずな新聞」100号

 東日本大震災被災した石市で月2回、仮設住宅に無料配布される「仮設新聞」が8月1日発行号で100号となった。被災者に役立つ情報を掲載。配布するボランティアと住民に交流が生まれ、名称通り、人と人との絆を強める懸け橋となっている。

 被災者支援に取り組む団体「ボート災害ボランティアセンター」が発行。A4判4ページの新聞を約6000部印刷し、市内133カ所の仮設団地で約5000世帯に配布する。

 スタッフは2人。他に石巻で支援活動をする団体のメンバーが、記事を書くなど協力している。

 編集の水野靖弘さん(32)は「見知らぬ地での仮設住宅暮らしで、情報が周囲から入らない人も多い」と話す。新聞には支援情報や仮設団地の話題、住民らの活動などを載せてきた。

 配布はボランティアが担い、原則一軒一軒を訪ねて住民に手渡す。孤立しがちな住民との会話を心掛けている。配布担当スタッフ田琢磨さん(32)は「住民と接する機会が多く、新聞が必要とされていると手応えを感じる」と言う。

 創刊は2011年10月。資金面の問題とボランティアの減少により、13年3月にいったん休刊。住民から「毎回楽しみ」「若い人と話ができて励みだった」などの声が多く寄せられ、助成金などを受けて13年6月に復刊した。

 9日、市内で記念感謝パーティーを開き、100号の節目を祝った。これまで支えてくれた人々を招き、水野さんは一人一人に感謝状を手渡した。

 石巻市の仮設追波川河川団地で妻(75)と2人暮らしの阿部泰さん(77)は、津波で長女と小4女子の孫を亡くした。「生きるのが苦しいときに岩元さんが話をじっくり聞いてくれた。きずな新聞が心のよりどころだ」と語った。

 「100号まで続いたと思う半面、これほど仮設生活が長引いていて複雑な気持ち」と語る水野さん。「反響も大きく、当分は発行を続ける」と前を向く。